予言者としての旅行業者

 旅行業の友人同士で、「こんなお客さんがいた」というびっくり話になることがあるが、その中で差し障りのないものを紹介したい。

これは恐らく旅行会社員の8割が経験したことがあると思うが、お客さんに「このフライトは大変混んでいて、キャンセル待ちになります」と言うと、割と間髪入れずに、「では、そのキャンセル待ちはいつ頃取れますか」、というご質問を受ける。

さて、そこで基本に戻ってみよう。「キャンセル待ち」とは、「今、予約が取れているどなたかがキャンセルされたら、その空いたところに入れますよ」という意味であり、実際はそう公平なものでもないが、まあだいたい日本ではそういう意味で使われている。
 
ところが、この場合お客さんに「今予約している人は、一体いつ頃キャンセルしたくなるだろうか」、ということを問われているのであり、そんな事、誰が知るか!

こういう場合の答え方として、「ちょっと待って下さいね、今、水晶玉見てみますから」というのを友人は推薦していた。