涙腺が緩む理由

マンマ・ミーア! [DVD]年を取ると涙腺が弱くなる、って良く言いますよね。ってなんで?経験を重ねるほど、感動も薄くなって、感情の振れも少なくなって、むしろ涙腺は乾いてくるんじゃないの?って思ってました。


ところが、しばらく前にテレビを見ていたら、あら?この頬を伝う液体は何?え?まさか涙?
どんな内容の番組だったかと言えば、
「東京タワーが建った当時、妻と一緒に真っ先に上りました。でも今妻は亡くなって一人で上っては、心の中で妻に話しかけています」
というような内容のインタビューでした。確かに泣ける話。でも親とも自分とも年代はかぶらないし、東京タワーに特に思い出もない私の心をわしづかみにする話でもない。意外と私の心はガラス製だったのか。


友達にその話をしたら、
「そうそう私も映画のタイタニックを見たとき、映画の後半部分は目の下に鉢巻巻いて涙を吸わせたいと思ったわ」
と言われました。いつの話だよ。
っていうか私、タイタニックでは、もう船もディカプリオも沈んだ後のケイトの妄想シーンで、ディカプリオとケイトがみんなに祝福されて大階段から降りてくるシーンで一回ウルって来ただけなんですけど。あっ、でも「マディソン郡の橋」では、2人が別れて街中で偶然再会するところから先は、目の下に鉢巻が欲しいと思いました。


そしてこの間、アムスに行く時の機内でやってたのが「マンマ・ミーア」。どうせミュージカルなんでしょ。007が出てるんでしょ。なんて思いながら見てたら、あらこの頬を伝う液体は何?全然泣けるシーンでもないのに、ダンシングクイーンのあたりからもう号泣。機内が暗くなっててよかった。何度もエアボーカルしちゃったもん。私の青春時代には、確かにABBAは人気だったけど、大衆ウケするポップミュージックとは常に距離を置いていたつもりの私・・・なんだけど、全曲知ってたわ。しかも歌詞まで。全然距離置いてなかったみたい。


「マンマ・ミーア」で一番いいところは、お母さん世代の方が光っているところ。メリル・ストリープがかわいかった。実年齢は60近いはずなのに、とてもキラキラしていてステキでした。